断酒生活(75日目)〜酒毒〜
先日読んで面白かった本。
著名漫画家お二人と作家の月乃光司の座談会的な会話形式で進んでいく本で、とても面白くスラスラと読めた。
本書に書かれているアルコール依存症の夫を持った妻(西原さん)の壮絶なエピソードの数々はやはり突き刺さるものがあった。
依存症本人の壮絶なエピソードは目にする事は多いが、依存症は当人だけの問題ではなく家族を巻き込んでいる。
むしろその家族の方が堪え難い苦痛を体験している事の方が多いだろうが、家族は時に口が重たいものだ。
依存症を克服した当人も辛い思いをしているだろうが、自分が酔ってした粗相など大半は忘れているものだ。仮に憶えていても細部までは忘れている。
しかし素面でその醜態を目にし、あるいは被害を被った人の記憶はそう簡単には消されない。
先日も書いたが、自分が酔って起こした醜態の記憶は他人の頭からは簡単に消えないと改めて自覚した。
むしろ消えるものではなく償うしか無いのである。
そうして1日1日の断酒を継続し、時を重ねる事で信頼を取り戻していくしかないのだと。
先日の旅行での泥酔事件で、怪我をさせられた者を病院に連れて行く時の車内。
「自分も少し前まではこんな感じで酒にのまれていた。やはり飲み過ぎはダメだよ」と言った時に、付き添った別の後輩から言われた言葉。
「goodbyesake さんも異常な量飲んでた時には、よくそういう発言するな〜、でも何も憶えてないんだろうな〜、と思いながら見てましたよ」
オブラートには包んでいるのだろうけど、自分が酔って言った酷い言葉をしっかりと憶えているんだなと自覚し、「その節は本当に申し訳なかった」と謝りました。
悪酔いすると喧嘩腰で絡む、高圧的になるなど攻撃性が増す。
かくいう自分もこの1人でした。よく目が据わってきたと言われたものです。
「実録!アルコール白書」にも書いてありましたが、依存症の特徴として「被害妄想」というのがあるようです。
誰かに悪口を言われている気がする、自分は嫌われているなど勝手に妄想をし、自傷行為に至る人もいれば、逆に攻撃的になって悪態をつき、時に暴力を振るったりする。
ただ暴れる人よりも、一番多いのが陰湿なタイプだという。
関係の浅い人には当人の前ではニコニコしながら、陰でネチネチと陰湿に愚痴を言う。
逆に自分よりも弱い立場の人間、気を許している人間には遠慮なく目の前で口撃する。
西原さんも依存症の夫から常に口撃を受けていたという。
また他人に対しても影でずーっと悪口を言っていたらしい。
人間性を疑ってしまうが、これもアルコールがもたらす酒毒の一つなのである。
理性を失うのは当人がだらしない訳ではなく、アルコールによるもの。
適量でセーブできないことこそが依存症という病気なのである。
さて身近な所にいませんか?こんな人。
うちの会社にもいます。飲めば悪口しか言わない。
あいつはダメだ、こいつはダメだ、お前はダメだ。
そしていつもこの陰口で溜飲を下げる飲み相手を探し、飲み会を開催したがる…
しかし泥酔しても絡みはしますし口論になることもありますが、暴力などの問題行動までは至らなく、ある程度でセーブはできている。
これは依存症なのか、それとも予備軍か?
いずれにしても酒毒により脳に影響が出ているのは確かだと思う。